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腎不全ジンフゼン保存ホゾン療法リョウホウ
このパンフレットが皆様にとってより
良い生活を送っていく手助けとなれる
ことを期待しています。
1.保存期腎不全について
・腎機能が正常の3分の1〜4分の1程度以下に低下した場合
自覚症状は、なくても健康の有害な代謝や血行動態の異常が
起きてくる状態です。
・更に、進行してくると腎機能の残りの働きが1割以下に
なれば、明らかな自覚症状が現れ、尿毒症と呼ばれ、透析を
しないといけなくなります。
・腎不全のうち、尿毒症状が現れる以前のことで透析が必要で
ない段階のことを腎不全の保存期といいます。
つまり、尿毒症になるのを遅らせることが、目標となります。
  ・具体的な治療方法
      運動制限(生活制限)
        食事治療
       薬物治療など
保存ホゾン腎不全ジンフゼン治療チリョウ
1. 腎不全の全憎因子の回避/除去
腎機能を悪化させる原因をなるべく避け、残った腎機能をできるだけ
長持ちさせる。
  2. 生活指導
  3. 食事療法
  4. 薬物治療(腎不全に伴う代謝や血行動態の異常をなるべく避ける。)
  5. 自己管理教育
保存ホゾン腎不全ジンフゼン生活セイカツ指導シドウについて
  1. 過度の運動・過労は腎機能を悪化させます、注意しましょう。
  2. 翌日まで持ち越す過労は避けましょう。(次回からセーブしましょう)
  3. 記録に挑戦したり、相手と競争することを目的とした競技スポーツではなく、
    気分転換・体力維持増進のためのスポーツをしましょう。
  4. 炎天下での活動は、避けましょう。
2.クスリについて
・腎不全患者さんは、腎臓から排出されにくいため、体内
クスリ上手ジョウズ利用リヨウ  に貯まりやすくなる薬があります。
・自分がどのような薬を飲んでいるか?また、薬の飲み方、量、
注意事項を知り、守りましょう。自己判断で薬を中止するの
でなく、医師に相談しましょう。
クスリ種類シュルイ
1. 降圧剤、利尿剤
降圧剤   ・高血圧の患者さんに投与します。
(働き)  ・高血圧自体が腎機能を低下させるほか、腎不全自体に
       よって高血圧が生じるため、高血圧の治療は必要です。
      ・武智ひ尿器科・内科では、降圧作用と腎保護作用のある
     ACE阻害薬(エースコール)
       AU受容体ブロッカー(ブロプレス・ミカルディス)
             などを使用しています。
利尿剤   ・体液貯留のある患者さんに投与します。
2.吸着剤
   
3. エポジン・エスポー(造血ホルモン、エリスロポエチン製剤)
エリスロポエチン・腎臓で造られる造血因子です。
(働き)    ・赤血球を増やす役目をします。
           (血液は、骨の中の骨髄で造られる。)
(効果)    ・腎臓が悪くなると、エリスロポエチンが不足し、
腎性貧血になります。
この時に、エポジン・エスポーの注射で
エリスロポエチンを補うようにすると、貧血症状
が改善され体が楽になります。
・但し、血圧が上がる副作用があります。血圧に注意
しながら注射しましょう。
3.食事ショクジ制限セイゲンについて
1. ナトリウム制限について
・腎患者さんには、しばしば高血圧を合併します。
・ネフローゼ症候群や進行した腎不全では、ひどくなると浮腫や心不全を
 合併することがあります。
・高血圧・浮腫・心不全には、ナトリウムの制限をし、多くは、付加塩分
(1日 7g以下)が無難です。
<ナトリウム制限セイゲンをする工夫クフウ
食品のナトリウム含有量
   特に加工食品
   食パン1斤(5g程度)の食塩が含まれる。
   寿司・丼もの(1食5g)が標準
調理や食べ方の工夫
 ・酢や香辛料を活用しましょう。
 ・調味料や加工食品の中にも塩分が多く含まれています。塩・醤油での味付
   けを控え、コショウ・ショウガ・ニンニクなどを上手に使いましょう。
 ・減塩醤油も活用しましょう。醤油は、<かける>より<つける>ほうが
   節約できます。
2. カリウム制限について
腎不全になると、個人差はありますが、尿量が減少し最終的には、尿が
でなくなります。尿中にカリウムが排泄されなくなると、カリウムは血液中
に溜まり、高カリウムになってしまいます。そうなると、筋力の低下・筋肉
の麻痺が起きます。カリウムの働きは、筋肉の収縮や神経の働きに深く関係
しているため、筋肉の麻痺が呼吸をする所で起きた場合、呼吸困難になり、
心臓でおきた場合、不整脈やひどい場合は、心停止が起きるので、カリウム
を制限する必要があります。
 高カリウム血症を合併する方は、食事の制限として1日40mEg(約1600mg)
を目安に制限が必要です。
<カリウム制限セイゲンする工夫クフウ
1.カリウム含量の多い食品を避けましょう。
   生野菜・果物(特にバナナ・メロン)
      乳製品・いも類・豆類
      あんこ・チョコレート・コーヒー・特にインスタントコーヒー
2.料理や食べ方の工夫
  ☆カリウムは水に溶ける性質があるため、水の接する面を多くし、流水で
    さらすか、茹でるようにする。
      @キャベツのせん切りを流水にさらすだけで、効果があります。
     A大根おろしの汁を切るだけで効果的です。
     B皮をむいたり、種ととったりするとよいです。
   ☆インスタントコーヒーは薄めにつくりましょう。
   ☆果物は、缶詰を使い、シロップは、たくさんのカリウムが溶けている
         ため使用しないようにしましょう。
   ☆干物類は、控えめにしましょう。
   ☆海藻は、カリウムが多いとされていますが、普通に食べる量なら
      それほど気にすることは、ありませんが、昆布巻きなど大量に海藻を
    使用する料理は控えめにし、焼き海苔や酢の物のわかめ程度なら普通に
    食べれます。
3.たんぱく質制限について
血清クレアチニンという物質が腎透析の尿毒症の症状の目安になり、
その血清クレアチニンが2.0mg/dlを超えるとたんぱく質制限が必要になり
ます。たんぱく質は、体の構成成分であり、毎日数グラム〜十数グラムの
たんぱく質が失われるため、ある程度のたんぱく摂取は生存のため必要です。
健康上害のないたんぱく質制限は、体重1kgあたり0.6/日までになり、
1日(30〜40g)程度になります。
近年のわが国の成人男性のたんぱく質摂取量は、1日(80g)になっており、
たんぱく質1日(30〜40g)程度にするには、容易ではありません。
これを助ける為に、ご飯や麺類・低たんぱく質の小麦粉・もちなどが開発
されてきています。うまく利用しましょう。
  
4.高カロリー食について
  たんぱく質制限を厳密にすると、献立が制限されるため、カロリー摂取が
  少なめになり、その為カロリーが不足すると栄養障害になり、体重の減少・
  筋肉の低下・貧血や血清尿素窒素などの悪化になります。症状として、手足の
  冷えや空腹感が現れ、腎不全の進行を速めます。
  その為には、たんぱく質制限では、十分なカロリー摂取が特に重要で、事務
   系の仕事で、毎日体重1kgあたり35〜45kcal程度のカロリー摂取が必要です。
  (普通の体重で、2000kcal/日が目安です。)
5.貧血について
     腎不全になると腎臓で作られるエリスロポエチンと呼ばれる造血ホルモンが
   不足し、脊髄で十分な鉄分を摂取することが難くなります。
    食事療法では、血液をつくるたんぱく質を制限しなくてはならないため、
   貧血治療は、薬剤治療が中心となりますが、可能な限り良質なたんぱく質
   (卵・肉・魚・乳製品・豆類などの動物性たんぱく質)を適度に摂取すること
   も大切です。
※不安なこと・ご相談がありましたらお気軽にお越し下さい。
武智・ひ尿器科内科(武智 伸介・武智 知子)
п@(089)960-3555
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